Three Perspectives #1

つづける」を、
十八の視点でほどく。

7/31(金)19:00、池尻大橋・大橋会館。宿、いけばな、人類学、ものづくり、お産、資本、地域、組織。ふだん交わらない仕事をしている18名が、一つのテーマを囲みます。当日の対話がもっと面白くなるように、公開情報からお互いの活動をまとめた予習ガイドです。

主催3名 + 参加者15名 大橋会館(池尻大橋) 19:00 - 21:00頃 / 参加無料
01 / OVERVIEW

「つづける」は四つの層で語られそう

18名の活動を並べてみると、偶然とは思えないほど綺麗に4つの層に分かれます。しかもこの分かれ方は、主催3名それぞれのお声がけ経路とはねじれていて、はじめましての人同士にこそ共通項がある構造になっています。自分がどの層にいるか、探してみてください(複数にまたがる人も多いはずです)。

場と地域をつづける

PLACE & REGION

宿・まち・温泉地。30年、100年の時間軸で「場」に関わり続ける人たち。

大貫冬斗渡邊加奈子楠富智太池田佳乃子

身体と祈りをつづける

BODY & RITUAL

呼吸、花、お産、対話。人の内側で繰り返される営みに伴走する人たち。

渡邉咲三代祐子菊池宏子冨樫多紀池田佳乃子

ものと商いをつづける

PRODUCT & COMMERCE

作る、選ぶ、届ける、投資する。プロダクトが長く生きるための生態系。

松崎良太青木亮作大杉信雄ジェリー・ヤン

組織と問いをつづける

ORGANIZATION & INQUIRY

会社、仕組み、学問。続けるための「器」を設計し、観察する人たち。

唐川靖弘倉貫義人中村寛滝澤悠小林尚子嶋田匠
02 / WHO'S WHO

参加者名鑑

カードをタップすると開きます。それぞれの活動の紹介と、「つづける」というテーマとの接点、そして当日聞いてみたいことを添えました(すべて公開情報に基づくものです)。

主催
唐川 靖弘からかわ やすひろ
EdgeBridge代表 / 「うろうろアリ」インキュベーター / Cornell大学経営大学院 CSGE マネージングディレクター
越境組織変革コーチング

どんな人?

広島出身。PwC、Interbrand、Saatchi & Saatchiで戦略とブランディングに携わったのち、Cornell大学でMBAを取得。同経営大学院のサステナブルグローバルビジネスセンターで、ナイジェリアやバングラデシュなど新興国の市場創造プロジェクトをリードしてきました。著書『THE PLAYFUL ANTS』では、働きアリの隊列を離れてうろうろ歩き回るアリこそが新しい餌場を見つけて巣を存続させる、という観察から「うろうろアリ」という越境人材論を提唱。INSEADでは組織心理学も研究。

「つづける」との接点

一見非効率な回り道や越境こそが、組織が長く生き残るための探索行動である。この会のテーマに理論の背骨を通してくれる人です。

聞いてみたい: うろうろアリは、いつ巣に帰ってくるべきなのでしょうか。

主催
大貫 冬斗おおぬき ふゆと
Studio Stillness代表 / Cornell Johnson MBA
ホスピタリティ静けさ場づくり

どんな人?

早稲田大学スポーツ科学部を卒業後、総合不動産デベロッパーでリゾート開発・運営や空港コンセッションなどの投資事業を担当。ホスピタリティ運営会社を経てCornellへ留学し、MBAと並行してホテルスクールの授業も横断受講。在学中はMBAの同期30名超を連れて博多から東京まで日本を巡る「Japan Trek」をアテンドした、人を連れて旅をする実践者でもあります。現在はStudio Stillnessを主宰。社名の通り、静けさや余白を軸にした場づくりを志向しています。

「つづける」との接点

開発(作る)と運営(続ける)の両方を知る人。ハコは作って終わりではなく、完成してからが始まりだという視点。

聞いてみたい: 「静けさ」は、事業として続けられるものなのでしょうか。

主催
松崎 良太まつざき りょうた
きびだんご(Kibidango)代表 / クラウドファンディング
CFものづくり海外×日本

どんな人?

日本興業銀行、楽天(M&A・事業開発に11年)を経てCornellでMBAを取得し、2013年にクラウドファンディング事業「きびだんご」を創業。以来13年、国内外のメーカーの製品を日本に紹介するプロジェクトを重ね、累計流通額は44億円超。特に海外の作り手の工房を直接訪ね、顔を見てから日本に届ける「人に会いに行く旅」を続けてきました。エンジェル投資家としての顔も持ちます。

「つづける」との接点

クラウドファンディングという「一回きりの祭り」を1000回以上繰り返して事業を続けてきた人。一回性の積み重ねが継続になる、という当事者です。

聞いてみたい: 出張でも旅行でもない「人に会いに行く旅」で、何が見えるようになったのか。

大貫さんお声がけ
中村 寛なかむら ゆたか
人類学者 / アトリエ・アンソロポロジー代表 / 多摩美術大学教授
デザイン人類学周縁

どんな人?

ニューヨーク・ハーレムのムスリムコミュニティに深く入り込んだフィールドワークで知られる文化人類学者(『残響のハーレム』)。著書のタイトルはずばり『アメリカの〈周縁〉をあるく 旅する人類学』。2022年に「人類学に基づくデザインファーム」アトリエ・アンソロポロジーを設立し、企業やデザイナー、経営者と共に人類学の知を社会実装しています。カルチャーデザインファームKESIKIにも参画、グッドデザイン賞の外部クリティークも務めます。

「つづける」との接点

人類学は「共同体はなぜ続くのか」を100年観察してきた学問。そしてフィールドワークとは、同じ場所に長く通い続けることそのものです。

聞いてみたい: 長く続いている共同体に、人類学者から見た共通点はあるのでしょうか。

大貫さんお声がけ
嶋田 匠しまだ たくみ
森みたいな株式会社 代表
創業1年目日本橋

どんな人?

森みたいな株式会社は2025年3月に設立されたばかりの、この場で最も若い会社(日本橋蛎殻町)。公開情報がまだ少なく、当日ご本人に聞くのが一番楽しみな参加者です。「森みたいな」という社名だけで想像が膨らみます。森は完成もゴールもなく、多様な生命が共生しながら変化し続けることで続いていく場所。テーマへの答えが社名に埋め込まれているのかもしれません。

「つづける」との接点

「これから続けていく」側の当事者。10年、30年続けてきた参加者たちと、時間軸の対比が最も効く人です。

聞いてみたい: なぜ「森のような」ではなく「森みたいな」なのか。社名の由来から。

大貫さんお声がけ
渡邊 加奈子わたなべ かなこ
Staple 執行役員(Brand & Communication) / 前HOTEL K5総支配人
ホテル兜町4世代

どんな人?

茨城で4世代続くホテル家系に生まれ、「ロビーのゲストは大体友達」という環境で育つ。大手ホテル・旅館での勤務を経て単身東南アジアへ渡り、リテール事業を共同創業して50名以上の外国人スタッフを育成。帰国後は、日本橋兜町の築100年の歴史的建造物を再生したHOTEL K5の開発プロジェクトマネージャーから総支配人へ(2021-2025)。ホテルスタッフ自身が資本参画・経営参画する共同体「Staple People's CO-OP」の代表も務めました。Stapleは「30年同じ地域に関わり続ける」を掲げる会社です。

「つづける」との接点

家業4世代(受け継ぐ)、築100年の建物(場を続ける)、スタッフの経営参画(続けられる働き方)。テーマの実例が三重に重なっています。

聞いてみたい: スタッフが「所有者」になると、ホテルの何が変わるのか。

大貫さんお声がけ
渡邉 咲わたなべ さき
草月流いけばな師範
いけばな型と自由一回性

どんな人?

「いつでも、どこでも、誰にでも」を掲げ、型にとらわれない自由な表現を大切にする草月流の師範。草月のいけばなは線・色・塊に注目し、植物の輪郭と空間(余白)を対比させる、日本美術の空間の美学を受け継ぐ表現です。師範資格は12段階のカリキュラムの先にあり、資格を得たあとも研究会や展覧会で学び続ける文化があります。

「つづける」との接点

花は必ず枯れます。いけばなは「続かないもの」を扱いながら、稽古と流派だけが続いていく。この場で唯一「滅びを前提に続ける」視点を持ち込める人です。

聞いてみたい: 昭和に「自由」を掲げて生まれた流派が約100年続いたいま、変えてはいけないものは何になったのか。

大貫さんお声がけ
楠富 智太くすとみ ともた
VIE 取締役COO / 平戸市地域活性化起業人
ニューロテック地方創生サウナガジェット

どんな人?

1988年長崎県平戸市生まれ。防衛大学校を卒業後、将校として南西諸島防衛に従事という異色の出発点から、創業期のAIスタートアップABEJA、博報堂を経て、脳波×音楽のニューロテック企業VIEのCOOに。多摩美TCLでも学ぶ。故郷・平戸では「地域活性化起業人」として東京と月1往復の二拠点生活を送り、平戸が2025年に認証を受けた「世界初のアルベルゴ・ディフーゾタウン」(まち全体が分散型の宿になる構想)の推進当事者。自己紹介には「ガジェット・サウナ・地元好き」。

「つづける」との接点

防衛→AI→広告→脳波と一見バラバラのキャリアが、「故郷を続けさせる」という一点に収束しつつある人。うろうろアリの生きた実例です。

聞いてみたい: まちがまるごとホテルになると、住む人と訪れる人の境目はどうなるのか。

唐川さんお声がけ
菊池 宏子きくち ひろこ
アーティスト / tra- 共同設立者
アートユースコミュニティ

どんな人?

ボストン大学で彫刻を学び、米国生活は20年。MITリストビジュアルアーツセンター、ボストン美術館、森美術館などでコミュニティ・エンゲージメント戦略に携わり、東日本大震災を機に帰国。NPO法人inVisibleの共同設立(2015)を経て、2024年、15-19歳のユースを中心に越境的な創造性を推進するコレクティブ「tra-」を共同設立しました。高校生・大学生が大人の悩みに応答する世代逆転型の「ゆーす相談室」は、半年で90件超の相談を実施。

「つづける」との接点

「tra-」はartを逆さにした名前で、越境を意味するラテン語にも由来。続けるための鍵を「次の世代に渡すこと」に置いている人です。

聞いてみたい: 大人がユースに相談すると、何が起きるのか。実際の相談室の風景を。

唐川さんお声がけ
冨樫 多紀とがし たき
tra- 共同設立者
ユース対話の場

どんな人?

菊池宏子さんらと共にtra-を立ち上げた共同設立者で、ユース主導の対話の場を設計・運営する実務の担い手。tra-は、立場や世代の違う人が視点を持ち寄る場を作り続けている専門家集団で、まさに「Three Perspectives」がやろうとしていることを、ユースと大人の間で先に実践しているコレクティブと言えます。

「つづける」との接点

対話の場は一回で終わらせるのは簡単でも、続けるのは難しい。それを続けている人。この会自体が続いていくためのヒントを持っているかもしれません。

聞いてみたい: 対話の場が「続く」とき、何が起きているのか。運営の現場から。

唐川さんお声がけ
小林 尚子こばやし なおこ
フロンテッジ(Frontage) マネージャー
広告ブランドストーリーテリング

どんな人?

Frontageはソニーと電通が出資する総合広告会社で、「情緒的な対話を生み出すエージェンシー」「コミュニケーションのすべてを退屈にしない」を標榜。ソニーグループのブランドコミュニケーションをはじめ、年単位で続く長期キャンペーンを数多く手がけてきた会社のマネージャーです。

「つづける」との接点

広告は一発の花火と思われがちですが、実際は何年も続くブランドの物語をどう保ち、どう更新するかという継続の仕事。「飽きられずに続ける」プロの視点です。

聞いてみたい: 長く続くブランドと、消えていくブランドを分けるものは何か。

唐川さんお声がけ
池田 佳乃子いけだ かのこ
HAA 創業者・代表取締役
湯治別府深呼吸二拠点

どんな人?

1988年大分県別府市生まれ。映画会社・広告代理店を経て、2018年から別府の湯治場・鉄輪温泉のプランナーに。2021年、33歳で「日常に、深呼吸を届ける」を掲げる株式会社HAAを創業しました。社名は湯船に浸かった瞬間に誰もが漏らす「は〜」という呼吸から。別府の湯の花を使った入浴剤「HAA for bath」はクラウドファンディング(Makuake)での先行販売からスタートしました。別府と東京の二拠点生活で、ポッドキャスト「深呼吸できる女とできない女」も配信中。

「つづける」との接点

湯治は、日本に古くからある「休み続ける」文化。頑張り続けるためにはまず休み方を取り戻す必要がある、という逆側からテーマに切り込める人です。

聞いてみたい: 湯治場で出会う「休みに来た人たち」は、何から回復しているのか。

唐川さんお声がけ
三代 祐子みしろ ゆうこ
MY BiRTH DESiGN 代表
お産ドゥーラ50カ国

どんな人?

5歳から17歳までをニューヨークで過ごし、慶應法学部からLSE(英国)で社会政策の修士へ。マッキンゼー、内閣府の国際交流事業、独立直後の東ティモールでの教育法づくり、ベネッセと歩み、出産を機に独立。産前産後の女性が不安や情報に振り回されず、主体的に自分のお産に向き合うことを伴走する「MY BiRTH DESiGN」を主宰し、バースドゥーラとして出産の立ち会いも行います。50カ国以上を旅した3児の母。最近のマイブームは糸紡ぎと綿を育てること。

「つづける」との接点

「生まれる」という、あらゆる継続の始発点を扱う人。命のリレーという最も根源的な「つづける」を、この場に持ち込めます。

聞いてみたい: お産に「主体的に向き合う」とは、具体的にどういうことなのか。

松崎さんお声がけ
青木 亮作あおき りょうさく
TENT 代表 / プロダクトデザイナー
ものづくりロングライフ定番

どんな人?

メーカーでの製品開発を経て、少数精鋭のクリエイティブユニットTENTを共同運営。町工場や中堅メーカーとタッグを組み、フライパンジュウ(藤田金属)やDRAW A LINE(平安伸銅工業)など、流行を追わずに長く使われ続ける定番を生み出してきました。デザインして納品して終わり、ではなく、作って、売って、使う人の声を聞いて改良し続ける。デザイナー自身が商いに踏み込むスタイルの先駆者です。

「つづける」との接点

売れる瞬間ではなく、10年使われることを設計する人。「ロングライフデザイン」を、思想ではなく商売として実践しています。

聞いてみたい: 10年使われる道具と、1年で飽きられる道具。設計段階で分かるものなのか。

松崎さんお声がけ
倉貫 義人くらぬき よしひと
ソニックガーデン 代表
納品のない受託開発管理しない経営クラフト

どんな人?

ソフトウェアを一括で「納品して終わり」にせず、月額で顧問のように関わり続ける「納品のない受託開発」というビジネスモデルを発明した人。売上目標も管理職も出社義務もないフルリモート組織を長年運営し、『ザッソウ』『管理ゼロで成果はあがる』など経営書の著者としても多作です。プログラミングを「クラフト(工芸)」として捉え、近年はクラフトとAIの関係をめぐる思索を深めています。

「つづける」との接点

「完成」を捨てて「関わり続ける」に商売の形そのものを変えた人。ソフトウェアは完成した瞬間から古びるから、作り続けるしかない、という思想です。

聞いてみたい: 管理をやめて10年以上、会社が続いているのはなぜなのか。

松崎さんお声がけ
滝澤 悠たきざわ ゆう
マネーフォワード 経営企画室
経営企画資本市場成長

どんな人?

「お金を前へ。人生をもっと前へ。」を掲げるマネーフォワードで経営企画を担う。同社は2017年の上場後も複数回の資金調達と多数のM&Aを重ね、日本のSaaS企業の中でも最も「攻め続ける」経営を実行してきた会社の一つ。予算、IR、投資と、上場企業が成長し続けるためのエンジンルームにいる人です。

「つづける」との接点

資本市場から見た継続、つまり「続けるにはお金の設計が要る」という現実を、最も解像度高く語れる立場。理念の話に、四半期決算という時間軸を持ち込めます。

聞いてみたい: 「成長し続けること」を市場に約束した会社の中は、どんな景色なのか。

松崎さんお声がけ
大杉 信雄おおすぎ のぶお
アシストオン(AssistOn) 代表
セレクトEC目利き語る商い

どんな人?

デザインの優れた道具や文具を独自の審美眼で選び抜くセレクトショップ、アシストオンを長年運営。一つの製品について、開発の背景や設計思想にまで踏み込む圧倒的な長文解説で知られます。「なぜこれが良いのか」を語り尽くすことで、流行に頼らず定番を定番として売り続けてきた。回転率を競うECの世界で、逆張りの「語る商い」を貫いてきた人です。

「つづける」との接点

目利きと編集の力で「良いものが売れ続ける場」を人力で作ってきた人。ものが続くためには、作り手だけでなく「語り続ける人」が必要だという実証です。

聞いてみたい: 何十年も道具を見続けてきた目に、「残るもの」はどう映るのか。

松崎さんお声がけ
ジェリー・ヤンJerry Yang
HCVC ジェネラルパートナー
VCハードウェアグローバル

どんな人?

ハードウェア・ディープテック領域に特化したベンチャーキャピタルHCVC(旧Hardware Club)のジェネラルパートナー。「ハードウェアは難しいから避ける」が常識のVC業界で、あえてハードウェアだけに投資し続けるという逆張りをグローバルに展開してきました。世界中のものづくりスタートアップを見続けている、日本のメイカーシーンとも縁の深い投資家です。

「つづける」との接点

VCファンドには約10年という期限があります。その時間の檻の中で、それよりずっと長く生きる会社をどう見極めるか。継続を「選ぶ側」の緊張感を語れる人です。

聞いてみたい: 世界中のハードウェア起業家を見てきて、「続く会社」の共通点はあるか。

03 / SERENDIPITY

偶然の一致、見つけました

調べていて見つかった、はじめまして同士の意外な共通点。当日の自己紹介より先に、話しかけるきっかけとしてどうぞ。

1988年生まれ、九州出身、東京と二拠点

池田佳乃子さん(別府)と楠富智太さん(平戸)。同い年、同じ九州、同じ月単位の往復生活で、故郷の温浴・宿文化を東京の視点で編集し直している者同士。初対面とは思えない会話になりそうです。

日本橋・兜町エリアに三つの点

渡邊加奈子さんのHOTEL K5は兜町、嶋田匠さんの森みたいな株式会社は蛎殻町。徒歩圏の「古いまちを続けるエリア」に拠点が並んでいます。

「逆さま」と「逆張り」だらけ

artを逆さにしたtra-、納品をやめた倉貫さん、回転率を捨てた大杉さん、みんなが避けるハードウェアに張るジェリーさん。続けている人はどこかで常識を裏返しています。

米国生活の長い三人

菊池宏子さんは20年、三代祐子さんは5-17歳をNYで、中村寛さんはハーレムでフィールドワーク。それぞれ違う形でアメリカの「周縁」を知る三人です。

Cornellが結んだ会、の外にもCornell的な人

主催3名はCornell大学経営大学院の出身。そして参加者にも、留学・越境・二拠点と「境界をまたぎ続ける人」が驚くほど多い。この会の隠れた共通言語かもしれません。

手を動かす人たちの「糸」

三代さんの最近のマイブームは糸紡ぎと綿づくり。渡邉咲さんのいけばな、青木さんのプロダクト、倉貫さんの「クラフトとしてのプログラミング」。手仕事の話で一角ができそうです。

04 / CHEMISTRY

交わりの予感

この顔ぶれなら、こんな化学反応が起きるのではないか。勝手ながら7つ予想してみました。外れたら外れたで、それも当日の楽しみです。

うろうろアリ × 旅する人類学 回り道の学問的正当化

唐川さんの「うろうろアリ」と中村さんの「旅する人類学」は、非効率な越境こそが共同体を生かすという同じ結論に、組織論と人類学という別ルートで到達しています。二人が出会う冒頭30分で、この会全体の背骨が立ち上がるはず。回り道の多い参加者(つまり全員)の自己紹介が、そのまま実例集になります。

膨らませる問い: 効率化の時代に、うろうろする時間はどう守られるべきか。
所有するスタッフ × 納品しない開発 当事者であり続ける仕組み

スタッフが資本参画するホテル共同体を作った渡邊さんと、納品せず関わり続けるソフトウェア会社を作った倉貫さん。ホテルとITという遠い業種で、二人とも「働く人がお客さん扱いをやめて当事者であり続ける仕組み」を発明しています。おそらく初対面のこの二人の対話は、この夜のハイライトの一つになる予感。

膨らませる問い: 人が「お客さん」をやめて「当事者」になると、何が続くようになるのか。
別府の湯治 × 平戸のまちやど 住まずに関わり続ける地域論

池田さんと楠富さんの二拠点コンビに、開発と運営の両方を知る大貫さんが触媒として加わると、「移住しない人間は地域を続けさせる主体になれるか」という、地方創生の core question に温泉の湯気がかかった議論になりそう。湯治(滞在の反復)とアルベルゴ・ディフーゾ(まち全体が宿)は、実は同じ問いの別解です。

膨らませる問い: 通い続けることは、住むことの代わりになるか。
作る人 × 語る人 × 張る人 定番が生まれる生態系

青木さん(作る)、大杉さん(選んで語る)、ジェリーさん(資本を張る)、松崎さん(届ける仕組みを作る)。一つのプロダクトが10年生き残るために必要な役者が、この夜たまたま全員揃います。「バズる」と「定番になる」の分かれ道を、四つの持ち場から同時に照らせる貴重な布陣。

膨らませる問い: バズと定番の分かれ道は、どこにあるのか。
枯れる花 × 続く型 伝統は更新によって続く

草月流は「型にとらわれない」ことを型にした流派。伝統は保存ではなく更新によって続く、という逆説を、いけばなの実践者(渡邉さん)と文化を観察する人類学者(中村さん)が語り合うと、事業の話に傾きがちな場に別の深度が生まれます。花は必ず枯れるのに流派は続く。一回性と継続の関係は、全員に跳ね返る問いです。

膨らませる問い: 変えてはいけないものを、どうやって見分けているか。
命の始発点 × 世代の逆転 つづけるは、渡すこと

お産という継続の始発点に伴走する三代さんと、ユースが大人の悩みに応答する場を作る菊池さん・冨樫さん。「続ける」を個人の頑張りではなく世代間のバトンとして捉え直す一角ができそうです。家業4世代の渡邊さんも、承継の当事者としてここに合流できます。

膨らませる問い: 自分が続けるのをやめても、続いてほしいものは何か。
創業1年目 × 上場9年目 × 創業13年目 続けるための現実装置

始めたばかりの嶋田さん、上場後も攻め続ける側にいる滝澤さん、13年続けてきた松崎さん、10年ブランドを保守する小林さん。企業の継続を、誕生・成長・成熟のフェーズ違いで同時に眺められる組み合わせです。理念の話が続いた後半に、お金と実務の重力をそっと戻してくれるはず。

膨らませる問い: 「つづける」ための最低条件を、あえて一つだけ挙げるなら。
05 / SEEDS

当日、場に置きたい問いの種

「正解を語る場ではない」という趣旨に沿って、誰の専門にも属さず、18人の誰もが自分の言葉で答えられる問いを4つ。気に入ったものがあれば、当日ぜひ隣の人に投げてみてください。

やめなかったのか、やめられなかったのか。続けてきた理由を美談にせずに語り直す問い。長く続けてきた人ほど、答えに間が生まれるはず。
「つづける」の主語は、いつ自分から離れたか。個人の継続が、組織や地域や次の世代の継続に変わった瞬間について。
途切れたからこそ、続いたものはあるか。撤退、閉店、転職、別れ。中断を継続の一部として捉え直す問い。枯れる花の話とも響き合います。
100年後も続いていてほしいものを、一つだけ。クロージング用。18人の答えが並んだら、それ自体がこの会の記録になります。